忍び足

科学の原点は日常の不思議。寺田寅彦が好きだ。
久しぶりに埃をかぶっていた電子書籍リーダー(sony)を取り出し、青空文庫で寺田寅彦を読んでいる。彼の名著「柿の種」を読んでいて、ふと思った。この文章が書かれたのが寅彦の晩年1920年〜亡くなる1935年まで。その間1923年に関東大震災が起こり、文章では震災後の街の日常風景も出てくる。とても平和な日常が書かれている。関東大震災から16年後に第2次世界大戦がはじまり、その6年後には広島で原爆が落ちる。誰が想像しただろうか、こんな事になってしまったことを。私はゾッとした。そして、現在。東京メトロ車内の動画広告で、ボーイング社のCMを目にした。その時もちょっとゾッとした。広島に原爆を落とした大型爆撃機B-29を開発した会社である。
世間にはある一定のアーミーファンがいるけれど、そういった垣根を越えて、艦隊これくしょんやガールズ&パンツァーなどの艦隊や戦車をモチーフとしたアニメが人気を集めることもなんとなく怖い(深読みしすぎかもしれないが)!
2011年の東日本大震災から6年経った今。戦争が静かに忍び足で、私たちに近づいてきているような気がしてならない。しっかりと日常を見つめる。戦争はしたくない。